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バルテル・サレスの中央駅...「セントラル・ステーション」

 先日、「セントラル・ステーション」というブラジルの映画を見てきました。日本語で「中央駅」ってことですかね。

 冒頭から駅の構内の印象的なシーンが続きますが、いつのまにか、子供と中年(初老?)女性の旅の物語へと変わっていきます。駅のシーンは、全体の1/4もなかったのでは...。あれあれって思ってパンフレットを見ると、原題は「Central do Brasil」とありました。「ブラジルの中心?」...これも良く分りませんが、なんか随分な邦題だな〜などと...。

 映画はとても印象深いもので、中年女性が、保護しているつもりの子供に、逆に癒され、彼女の心の中心に到達していく...という感じのものです。おやっ、「中心」なんて言葉が出てきちゃいましたね...。

 彼女は、リオ・デ・ジャネイロの中央駅で代筆業(現在の日本では考えられないかもしれませんが、ブラジルの識字率は100%ではありません)を営んでいる独身の元教師です。子供は、母親と連れ立って、父親宛ての手紙を頼みにきたのですが、すぐに交通事故で母親を亡くしてしまいます。いろいろあって、父親探しの旅に2人して出かけるわけです。

 道中、父親に対する期待を抱かせないように(彼はアル中ということでしたから)、彼女は自分の父親の話を聞かせたりします。その言葉は、少し突き放した、批判的なものでした。

 道中の様々な経験が、彼女をしだいに変えていきます。

 最後に、子供は兄達に引き取られ、彼女は1人でリオ行きのバスに乗り込みますが、そこには、自分に正直になった彼女の姿がありました。「機関車の運転手であった父親にハンドルを持たせてもらった」を忘れられず、「父親との関係をやり直したかった」という思いを口にします。そして、子供に対して「自分の事を忘れないでほしい」と願うのです。

 だから彼女は、父親との思い出がある「駅」にいたのだろうか...と。じゃあ、この邦題もまんざらでもないのでは...。


監督:バルテル・サレス
出演:フェルナンダ・モンテネグロ,マリリア・ペーラ

DVD/ビデオ

セントラル・ステーション

セントラル・ステーション
こちらの方がおやすい。