リートフェルトの椅子は、レッド&ブルーが有名ですね。学生の時にはじめて座って、とても感動したことを覚えています。見た感じの芸術的な雰囲気とは裏腹に、とても座りやすいと思いました。家具職人からスタートしたリートフェルトならではのバランス感覚なのではないでしょうか。
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red&blue:リートフェルト自ら「美しく空間的なデザインが直線的な材料と機械によって創りだせるという証明」と語っているように、デ・スティル思想の幾何学的構成の考え方をそのまま具現化したような椅子。構造的にもシンプルで、そのシンプルさが形態となっています。色彩はデ・スティルの先輩モンドリアンの絵画のスタイルを受け継いでいます。座ってみると見た目よりすごく座り心地がよいです。肘掛けにグラスを置けます。
でもこの椅子、初期のオリジナルにはいろいろなサイズのものがあるのです。家具職人の彼は、その時々で入手しやすい材料を使ってつくっていたので、サイズはまちまちというわけなのです。また、このカラーリングも最初は施されていませんでした。デ・スティルのモンドリアンの影響でカラーリングをしたと考えられています。こういうところが、職人らしさを感じさせている所かもしれませんね。
ニューヨーク近代美術館展示品。
レッド・アンド・ブルー
今から90年前の椅子。一種のアンティーク家具になるのかな...
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