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デザイナー特集
小津 安二郎

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 かつて、海外で最も有名な映画監督といえば、小津安二郎だった。海外での映画祭で日本人監督が活躍する中、小津安二郎だったというのだ。最近でも、ヴィム・ベンダースやアキ・カウリスマキなどの映画監督は、小津安二郎に強烈な影響を受けていると語っている。(ドキュメンタリー映画「小津と語る」)。なぜ、小津安二郎は、時代と空間を超えて重要な存在なのか。小津安二郎が意図していたことはなんなのか。現代を生きる私たちも、考えてみる必要がありそうだ。
娘の結婚
晩春
東京物語
彼岸花

 小津安二郎の代表作「東京物語」に描かれている光景は、どこかで見たような懐かしさを感じさせるが、実は、普段見ることのない光景だ。たとえばロー・アングルの画面では、不作法に寝転がって相手を見ない限り、見えてこないものを見ることになる。

 ロー・アングル...、長年、畳に座る文化の中で生活してきた日本人の表情やしぐさは、座っている時の視線を意識して形成されてきたもので、立った姿勢の視点を基準とする西洋式のカメラ視点では、相手のそれを正確に読み取ることはできない。だから、座っている日本人をきちんと捉えるためには、低い位置にカメラを設定する必要がある。

 さらに、日本人の表情や立ち振る舞いは、伏目がちに、内に抑えられたものとなっているので、その奥に隠された感情を画面に表現するためには、もう一段低い位置にカメラを設置せざるを得ない...それがこの寝転がって相手を見る高さ、ロー・アングルだったのではないか...。

 彼の映画の多くが家族をテーマにしている。現在でも彼の評価が国内外で高いのは、こうした普遍のテーマを真面目に撮り続けてきたことと無関係ではないと思う。家族の感情のもつれや矛盾といったものを真面目に語っていくためには、真実の表情を捉えなければ、見ている者に共感を与えることはできない。私たちが日常に体験している家族のありさまを描こうというのだから、底の見える表現は、空々しく感じるだけだ。笠智衆の困惑や東山千栄子の諦観、原節子の慈愛の眼差しも、この角度からなら正直に物語れる...という想いが小津安二郎にはあったのではないだろうか...。

 小津安二郎の眼差しは、少しお行儀は悪いが、家族の本質を引き出そうとする熱意と優しさを伴っている。そしてそれは、家族のための住まいを生み出そうとしている者にとって、必要とされる眼差しでもある。

東京物語の中で代表的な構図


◆小津安二郎 略歴

  [Yasujiro Ozu (1903〜1963) ]

1903年12月12日、東京深川(江東区)に生まれ。小学生の時に父の意向で、父の故郷・三重県松阪市に移る。伊勢市の宇治山田中学校に通いながら映画研究会を設立。卒業後、三重県飯南郡飯高町の尋常小学校で1年間代用教員を務めた後、帰京。

 1923年撮影助手として松竹キネマ蒲田撮影所に入社。1927年時代劇『懺悔の刃』で監督デビュー。戦後は『晩春』、『麦秋』、『東京物語』といった名作を発表。

 1963年12月12日、60歳の誕生日に逝去。


- 略歴はこちらを見て下さい。 (松竹 小津安二郎サイト)-

◆小津安二郎 全作品

1927年   懺悔の刃
1928年   若人の夢
1928年   女房紛失
1928年   カボチャ
1928年   引越し夫婦
1928年   肉体美
1929年   宝の山
1929年   学生ロマンス 若き日
1929年   和製喧嘩友達
1929年   大学は出たけれど
1929年   会社員生活
1929年   突貫小僧
1930年   結婚学入門
1930年   朗かに歩め
1930年   落第はしたけれど
1930年   その夜の妻
1930年   エロ神の怨霊
1930年   足に触った幸運
1930年   お嬢さん
1931年   淑女と髯
1931年   美人哀愁
1931年   東京の合唱
1932年   春は御婦人から
1932年   大人の見る絵本 生まれてはみたけれど
1932年   青春の夢いまいづこ
1932年   また逢ふ日まで
1933年   東京の女
1933年   非常線の女
1933年   出来ごころ
1934年   母を恋はずや
1934年   浮草物語
1935年   箱入娘
1935年   東京の宿
1935年   鏡獅子
1936年   大学よいとこ
1936年   一人息子
1937年   淑女は何を忘れたか
1941年   戸田家の兄妹
1942年   父ありき
1947年   長屋紳士録
1948年   風の中の牝ドリ
1949年   晩春
1950年   宗方姉妹
1951年   麦秋
1952年   お茶漬けの味
1953年   東京物語
1956年   早春
1957年   東京暮色
1958年   彼岸花
1959年   お早よう
1959年   浮草
1960年   秋日和
1961年   小早川家の秋
1962年   秋刀魚の味

-全54作品-











大学は出たけれど




生まれてはみたけれど










晩春





秋刀魚の味

◆小津安二郎に関するDVD・ビデオ/書籍

 ●DVDの検索 ●和書の検索

小津安二郎 DVD-BOX 第一集
松竹

『東京物語』・『彼岸花』・『お早よう』・『秋日和』・『秋刀魚の味』を収録。

小津安二郎 DVD-BOX 第二集
松竹

『晩春』・『麦秋』・『お茶漬けの味』・『早春』・『東京暮色』を収録。

小津安二郎 DVD-BOX 第三集
松竹

『出来ごころ』・『母を恋ばすや』・『浮草物語』・『東京の宿(音響版)』・『一人息子』・『淑女は何を忘れたか』・『戸田家の兄妹』・『父ありき』・『長屋紳士録』・『風の中の牝鶏』を収録。

小津安二郎 DVD-BOX 第四集
松竹

『学生ロマンス 若き日』・『大学は出たけれど』・『朗らかに歩め』・『落第はしたけれど』・『その夜の妻』・『淑女と髯』・『東京の合唱』・『大人の見る絵本 生まれてはみたけれど』・『青春の夢いまいづこ』・『東京の女』・『非常線の女』・『和製喧嘩友達』・『突貫小僧』・『鏡獅子』を収録。

その他ビデオ

小津安二郎 集成2
キネマ旬報社

小津安二郎に関する評論は多々あるけれど、小津安二郎の生の文章を心行くまで読める本は多くはない。集成1は、なかなか手に入らない。残念!

その他書籍

◆小津安二郎に関するサイト

国内

小津安二郎生誕百年

松竹による小津安二郎のためのサイト。全貌を知るならまずここへ。一昨年は、小津安二郎の生誕百年(没後40年)の記念すべき年で、様々なイベントがゆかりの地で開かれました。

小津安二郎・映画の時空間

東北芸術工科大学・山形Net-Expoプロジェクトによる小津安二郎作品の分析。分かりやすく解説されていて、興味深い話が一杯です。

小津安二郎の芸術

小津の監督した54作品のうち、37作品の解説があります。

小津安二郎記念 蓼科高原映画祭

蓼科も小津の別荘があったことで、ゆかりの地です。

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