◆イヴ・サン=ローラン略歴
イヴ・サン=ローラン[Yves
Saint-Laurent] 本名:イヴ・マチュー・サン=ローランは、1936年当時フランス領だったアルジェリアのオランで生まれ、両親は回漕業者をしていました。幼時期は、身体が弱かったようです。その心の痛手を、デッサンや油絵の世界に夢中になることで癒していました。この頃、すでに彼は母親や二人の姉妹のためにドレスなどのデッサンをしていました。オラン時代にたまたま両親に連れられてモリエールの「女の学校」を観劇した彼は、クリスチャン・ベラール制作のその舞台装置と衣装に魅了されました。それ以後、彼は自分の部屋で舞台装置や衣装のミニチュアを作って過ごし、自分の世界はこれであると思ったのです。17歳の時、国際羊毛事務局主催のコンクールに応募し、最優秀賞を獲得します。
その後、1955年初めにイヴ・サン=ローランは、クリスチャン・ディオールに紹介され、その下で働き始めます。しかし、彼のデザインについてディオール社の幹部とは折り合いが悪く、1960年、イヴ・サン=ローランの徴兵を機会に解雇させられてしまいました。彼は、ディオールの下でデザインについて学びましたが、自分の持つデザインの感性をねじ伏せられていたようです。
66年、プレタポルテ"イヴ・サン=ローラン
リヴ・ゴーシュ"のブティックをパリ6区に開設。
85年、レジヨン・ドヌール勲章を受勲。93年、デ・ドール賞を受賞。
イヴ・サン=ローラン本人に「私はいつも、ドヌーヴをイメージしてデザインしている」と言わしめるほど、60年代後半まではドヌーヴがマスコット的存在として位置してようです。(上記の引退記念ショーの写真の右はドヌ−ヴです。)
イヴ・サン=ローラン社がグッチ社に買収されたのを受け、2001
よりリヴ・ゴーシュのデザイナーにトム・フォードが就任。
(写真は、ロイターとイヴ・サン=ローランのホームページのものです)
◆イヴ・サン=ローランのデザインの特徴
(以下、(株)日本コンサルタントグループ発行「販売員のための商品知識 ファッション編」からの抜粋)
着用したときの陰影をシルキーに出し、自然の光線を巧みに生かしたものや澄んだなかにダークな色調で、かつ女性らしい柔らかさを表現した「フェーム・シック」がきわ立っている。
【特徴】
1.カラー・コントラストにより、鋭さと優美さが同居。
2.カラー・コーディネイションのバランス。
3.トップスとボトムのシルエットのバランス。色づかいの天才といわれ、ラベンダーやグレーの扱い方は群を抜く。
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